おふろ耳
「最近のはやり 何?って聞いて」
いつだったかの なんでもない朝、そう言ったことがある
「二流の映画のセリフみたいなこというね」
というようなことを言われた気がする
それは褒めことばなんだけど
その当時のわたしの流行は(たぶん寒い時期だったんだけど)
おふろに入ったとき、湯船に耳までつかることだった
これまでのじんせいで、そんなことをしたことはなかったのに
何を思ったのか、ただ単に寒かったのか、
あお向けになって耳まで沈めてみたが これがなかなかいい
第一に、何と言ってもあたたかい
耳は思っているよりつめたいみたいで、実際に沈めてみると
「お〜極楽極楽!」みたいなあたたかな安心感と幸福感がある
ほかによかったことは、音が遮断されるということ
これも普段ぜんぜん意識していないし、気がつかなかったことだけど
音が何も聞こえないというのは、これまた落ち着くというか
無になれる 無になるって結構よかったんだよな
そういえば最近やってないなあ